八王子の図書館行政に反映できればとの思いから、11月20日、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)方式により2006年7月に開館した稲城市立中央図書館を視察しました。
PFIとは、公共サービスの提供に公共施設が必要となる場合に、今までのように役所が直接施設を整備せず、民間資金を利用して民間に施設整備と管理運営をゆだねる手法です。稲城市では5館目の図書館建設を巡り長期間にわたる論議を重ねてきましたが、民間活力を導入するPFI方式で整備・運営することを決め、多摩地域では初のPFI図書館を完成させました。
同館は約3,485平方mで、蔵書数は36万冊。ICタグ採用による“棚アンテナシステム”、ロボット操作による“自動閉架書架”の導入など、最新鋭の図書設備を導入しているほか、視聴覚コーナー、パソコンコーナーなども大変充実しています。高い天井、ゆったりとした書架の配置、豊富な閲覧スペースと知の殿堂という表現がぴったりでした。
建設費は11億6,000万円。業務委託型のPFI方式のため、建設費は市が一括して起債し、特別目的会社(=SPC、代表会社:エヌ・ティ・ティ・データ)とは期間20年で契約し、維持・管理費を年間1億6,000万円(貸出冊数年50万冊までの基本委託費)支払うという手法です。
2008年4月をメドに、図書館の相互利用地域が拡大し、八王子市民も同館を含め稲城市の図書館も利用できる(本の貸し出しを受けられる)予定です。ただ、八王子も今まで以上に図書館を整備する必要があると感じました。7館構想があった時期もあり、本市も現在の4館体制から拡充を図るのとともに、既存図書館の整備についても、しっかり予算立てし、取り組んで行く必要性を痛感した視察でした。
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